比較的、均衡の取れた組み合わせだ。ここに弓使い(アーチャー)がいればもっといい。

 そしてハープを手にしている青年、彼は吟遊詩人(バード)だ。

 その美しい調べでモンスターを魅了し、戦う者──その戦法は最も異質だといえる。

 時には、昔から受け継がれている伝説を語る事もある。

 街での仕事はもっぱら、酒場でその歌声を披露することだ。

 そんな彼らが興味を持つのは当然、現れた細身の流れ戦士である。

 腰に携えられた剣が彼を流れ戦士だと物語っているが、それが彼らには違和感として映っている。

 柔らかな物腰は剣がなければおおよそ、シレアを戦士と思う者はいないだろう。

 当の本人は慣れているのか、その視線を意に介さない。

 この場において、シレアの力を見た目で判断する者はいない。

 それぞれに場数を踏み、経験を重ねてきた者たちだからだ。

 相手への過小評価は避けるべきだという教訓が身に染みている。