「待て待て、転送屋がおるじゃろう!」

「ふんだくられるぞ」

 転送を得意とする魔法使い(ウィザード)が希望の場所に運んでくれるというものだが、それを職にしている者は少ない。

 そして、かなり高額だ。

「三人と三頭ならいくらになるか、考えただけでも目眩がする」

「ぬううう」

「空路と海路。どちらにするか」

「私は海路をと考えている」

 アレサとユラウスの二人は互いに見合い、眉を寄せた。

「何故、海路なんじゃ。空路の方が安心じゃろう」

 空路はワイバーンというドラゴンの眷属を調教した調教師(テイマー)に頼み、希望の場所まで運んでもらう。

 他にも空を飛ぶモンスターは存在するが、大陸から大陸への移動にはそれなりの体力が必要だ。

 ドラゴンの眷属ではあるが知能は低く腕は無い。

 人間でもどうにかすれば飼い慣らせるモンスターである。