「今日は一原と過ごしてると思ってたからさ……明日……と思ってたんだけど…
…
フリーだったらチャンスはあるかなって……菜乃羽?」
大樹がわたしの顔を覗き込む。
柔らかい表情にドキッとして思わず顔を引く。
「あ、いや……ビックリして……」
「だよな……ごめん、急に……」
「ううん。そうじゃなくて……大樹は桜を好きじゃなかったの?」
「桜?」
不思議そうな顔で大樹がわたしを見る。
「え? 違うの?」
「うん」
「でもさっき、和也と付き合ってショックって……」
そう言ったよね?
わたし、聞き間違えてないよね?

