5分ほどして、
2人は離され芝生へ倒れた。

『げほ…ッごほっ』
肺がつぶれているのか、
息がしにくい優花。
痛みで呼吸もままならない。

『じゃーな、譲ちゃんたち』
奈央は負けず嫌いな性格だった。
何でも自分が勝たないと気が
すまないと、いつも言っていた。

『待てよ…!』
今この状況でも、その性格は
発揮されてしまったのだ。

不良は足を止め、奈央を睨む。
奈央は微笑んで言う。
『1人で怠慢もできねぇのか?
よえー奴らが…かかってこい!!』
不良はさっきと同じ鉄の棒を出した。
しかし、後ずさりをしない奈央。
立ち向かおうとする。

ズキッ
体が痛む。
『…あ』
目の前には、鉄の棒があった。
間に合わな…

ドカッ