ザッ・・・ザッ…

ナジカは駅裏を、瀕死の
状態で歩いていた。
直に殴られたあとが痛々しく
残っている。

「殺して正解だったぜ…。あいつは
化け物だ。武器なんて無くても十分…
強かった…。でもこれでもう、呉羽は
あたしのもんだ」

力なく微笑むナジカ。
一刻も早く休憩が必要だった。
今誰かに襲撃されては、先ほどの
喧嘩が無駄になってしまう。

フッ
後ろで音がした。

「誰だ!?」
すぐさま後ろを見るナジカ。

「…!あ…あ…」
恐怖で声が出ない。
そこには玲の姿があった。
何も言わず、冷徹な目でナジカを
ただ睨んでいる。