「逃げることは…自分の
運命に、立ち向かわないって事だ。
おめぇはまだ見なきゃいけない
世界がある…知らなきゃ
いけねぇ事もある…」

我慢強くして見る奈央。
直は息を大きく吸うと、吐き出して
一生懸命声を出した。

「お前…放っておけねえんだよ。
あたしと似てる…」
「え…」
「繭、藍、憂。そこにいるか?」
「…はい!」
3人は直に近付く。
気を使うように後ろへ下がる奈央。

「お前らしっかりやれよ…
いつもあたしに頼ってばかりで、
1人じゃ何も出来ねぇんだから」
「はい…!」

薄れていく意識の中で、
直は繭を見て伝言を頼んだ。

「玲に…伝えといてくれ。
今までありがとってよ…」
繭は静かにうなずく。
「そうだ…玲さんは?」
憂は疑問に思っていた。