ガラッ

また扉が開いた。
繭と憂が、表情を変えてたっている。
繭はそのままがくりとひざまずいた。
「…すな…お、せんぱ…」
声にもならない絶望が頭をよぎる。
憂は目の前の光景を信じられなかった。

床に倒れこむ直。
血に染まった包丁を持つ、ナジカ。
こちらを見ると指をくわえながら
睨んだ。

「あはは…」
耳が裂けるような悲しみが、
憂を取り囲んだ。

「普通の喧嘩だろ…ッ
何で…殺す必要があるんだよ…
ただ上とりたいだけだろ!!
警察ザタにして何が楽しいんだよ!」

直に近付くと、涙を零す憂。
繭は相変わらず後ろで
這い蹲っている。