「あたしらが2年の時、あいつが
直先輩を狙った時があったんだ。
あ、あいつが1年のときな。
ナジカ、留年してるんだよ」
憂は苦い顔をして、繭と顔を見合わせた。

「玲と喧嘩をしてる時、玲が…
一瞬のスキに刺されたんだ」
奈央は驚いた顔をして憂を見る

「その時はちょうど腰を曲げてたから
体には刺さらなかったんだけど…
命に危険を感じた直先輩はとっさに
あたし達の安全を最優先して、
ナジカに戦いを挑んだんだ」

「その結果、ナジカは負けてもう上は
直先輩に決定だって言って離れていったんだが…
上に行けばまた襲撃して来るだろう、
と思った直先輩は、わざとてっぺんを
とらなかった」

ーわざと…。
自分の仲間を、守る為に…。

「本当のつよさを知ってるよ…先輩は」
繭が真面目そうに言った。
奈央もそれを聞いて、痛感した。
あたしが目指すのは…直先輩しかいない。
絶対に怠慢をはりたい。

「今、ナジカはどこに行ったんだ?」
「しらねぇよ。お前と同じくらいか、
それより強い奴らをボコってるんじゃねぇの?」
「…宮崎と同じくらい…上…
…あ!!」