ポタッ
血が落ちていく。
奈央は痛みを感じながらも
ナジカの顔を見た。
ー笑っていた。

「あんたがいちゃ、
てっぺんまで行けねぇんだよ」
奈央は驚きを隠せなかった。

「喧嘩して下手に怪我するのも
面倒だし~。手っ取り早く終わらせ
たかったからさ。とりあえず
あんた、負けだよ」

突き刺したナイフをとると、床に
放り投げ血を拭くナジカ。
その瞬間、奈央は倒れ込んだ。

嘘だ…

ナジカの言動を、
信じられずにいた。