でも、その温かさに
少しは自身の冷たさも
掻き消されているのだろう。
そう思った奈央は、微笑んだ。

「あ、奈央が笑った!」
ナジカは嬉しそうに笑う。
奈央は照れて一気に真顔に
戻った。

「…!」
奈央は路地裏で足をとめた。
「きゃあッ!!」
ナジカは思わず叫んだ。
そこには3人の女子が
倒れこんでいた。
制服を見ると、呉羽の生徒だった。

「酷い…」
奈央は近付き、傷を見る。
何かが書いてある手紙を発見した。
「?何だろう」
そう言いかけた時。

「お前もこうなるんだよ」
確かにナジカの声が聞こえた。
その一瞬、殺気を感じとっさに後ろを
振り向く奈央。

しかしナジカは居なかった。

「…ナジ…カ?」
奈央の体をナイフが突き刺した。
ナジカは奈央の前にいたのだ。