奈央は歩きながら家へと
帰っていた。あんな宣言をしても、
まだ優花の事に終止符がつかない
ようだった。

公園を通る途中。

「あ、宮崎ー!」
「?」
ふと後ろを見ると、ナジカが
笑顔で近付いて来た。

「奇遇だね!あたしの家も
この近くなんだけどさ…一緒に
帰らない??」
「お化けでも出るのか?」
「最近、この辺で沢山事件が
起きてるから…人が怪我だらけで
倒れてるんだって。強い不良でも
いると思うんだよね」

へぇ、と相槌をうつと
奈央は歩き出した。慌てて
ついてくるナジカ。

「奈央ー」
「…何?いきなり」
「いや、名前で呼んでも良い?
友達だしさー☆」
「…別に良いけど」
何だか憎めない奴だ。