憂も繭も藍も、驚いて直を見た。
玲だけは察しているように、
黙って会話を聞いていた。

直は下を見ながら言う。

「お前みたいな餓鬼が、
知ってるとはな」
ふ、と彼女は笑う。

「岡本優花です」
その名前を聞くと、直は
優花を見て言った。

「その理由を知ってて、何で
あたしと怠慢を望む?」
「未来が見えるんですよ」
「そりゃー面白いな」
「本気にしないでください。冗談です」

優花は拳をにぎり、
震わせながら顔まで持ち上げた。
今すぐに喧嘩をしたい、という
感じだった。

「あたしは分かるんです。
もうすぐアンタは、アレに勝つ」
憂と繭は顔を見合わせ、首を横へ振った。
藍はその様子を見て真剣な表情になる。