3年1組。
直に過去を指摘された奈央は、
黙り込んでしまった。
「どうして、知ってるんですか」
かろうじて出た言葉がそれだった。

「あたしの、過去を…」
直は微笑むと、窓から外の景色を見た。
そして、指をさす。
奈央はそれを覗き込む。
喧嘩をしているヤンキー達だった。
殴り合っている。片方はボロ負けだ。

「あーゆーわけだろ?知ってるよ。
あたしの友達だからな…優花は」
「え…」
その発言に驚く奈央。
目をかっ開いて、直を見つめる。

「全部話してほしいんだろ?」
奈央の心の内が分かったかのように、
直は問いかけた。
奈央は素直に頷いた。