奈央は拳を握り、ユウを睨む。
ユウはそんな奈央を見て、微笑む。
沈黙が続いたあと、奈央は去っていった。
「何かあるのは間違いないな」
「お前…まだ宮崎を狙ってんのか…?!」
サツキがユウを見ながら問う。
ニカっとユウが笑う。
「負けるのは嫌いなんす」
奈央は歩き続けて、裏庭へついた。
校庭と近いけれど職員室が
見渡せる範囲の広さ。
ポタ、ポタ…
血の跡がまだ続いている。
奈央はまた歩き始めた。
さきほどの位置から
ずっと続く血の跡。これを辿れば
藍に辿り着くと思った奈央は、
わざと見捨てたフリをして早く
倒しに来たのだ。


