「そない気になるか」
途中で女性に話しかけられた。
包帯をまいた、繭だった。

「…」
奈央は無言で通り過ぎる。
それを見た繭はどこかに去っていった。



「人の事言えねーな。おめーも」
繭を睨みつける直。
とある教室で2人だけで話していた。

「すいません、直先輩…」
繭は申し訳なさそうに直を見る。
すると、直は外の景色を見ながら言った。
「…強かったのか」
真剣な眼差しは、繭を魅了させた。
「どうだったんだ」
はっ、とした繭は慌てて言い出した。

「…強い以上に、何かを感じました」