「…ぅ…」
繭は床に倒れ、立ち上がらない。
勝負はついた。しかし奈央の方も
また繭に近付き、彼女を見た。

「ふ…殴れば良いやろ。今の
お前に負けても…自覚はないやろ」
奈央は蹴りをいれる。
「ゥガッ!!」
容赦ない攻撃。
かすかに見ていた憂は、
とめに入る事さえ出来なかった。

「宮崎!!」
奈央の手を、ナジカが握った。
クラスメイト達はひやひやしながら見守る。
「ナジカ、おい!」
憂が叫んで注意するが、ナジカは
奈央から離れない。

「宮崎、どうしちまったんだよ!
落ち着け!宮崎!!」
「…あ」
奈央の表情が元に戻った。