「あの人は、上に立たなきゃ
あかん人や。負けたクズ共に興味はないで」
負けた、クズ共…?
奈央は立ち上がった。

「ん?何や、やる気か…
!!」

ドカッ!
奈央はいきなり繭を殴り飛ばした。
瞬間的に反応し、ダメージは軽減したものの
十分攻撃をうけていた。
壁へ叩きつけられた繭。
奈央を見ると、すでに目の前へ移動していた。

「う…ッ何や…お前」
奈央から伝わったのは安らかな怒りだった。
普段の奈央とは比べ物にならない顔。
思わず繭も驚いていた。

背後には鬼も見えた。
奈央はゆっくりと拳を上げる。
立ち上がる繭。