ガンッ

また教室の扉が勢い良く開いた。
奈央はそれを見て立ち上がる。

「ものわかりが早いんやな」
グローブをした、繭だった。
パキ、と指をならす。
憂がいる事でさえ嫌なクラスメイトが
更に怖がる。
それを見ても何も思わない奈央。

「よー、繭。勝てよ」
「当たり前だろ。てめーじゃねぇんだ」
喧嘩を売る様な口調でいう繭。
憂はその反応に立ち上がる。

「あ?てめぇ、口が悪いんじゃねぇか?
今あたしはこっち側なんだよ。
ここで潰してやろうか」
「あんたとやりに来たわけじゃねぇよ」

余裕そうにいう繭。