奈央は廊下を一人、歩いていた。

「直さんまでいけねぇよ。てめぇらじゃ」
気付くことのない位置から、
後ろで繭が見ていた。
「骨はあるってことだ」
直が繭の隣に来て言う。

「直先輩…あたしを行かせてください」

「…手は抜くな。本気で行け」
「はい」

本を読み終わったので、
奈央は教室へと帰った。