「二度とあたしに嘘を
つくんじゃねぇ」
あの時と同じ寂しげな瞳で
直は言った。しばらくすると、
玲はすみませんと謝った。

直はナジカに刺された生徒達を
見て、指をポキポキとならす。

「玲、お前は出なくて良い。
こいつはあたしがやる」
「危ないです」
「そういうのは頭の責任だ。お前と
喧嘩させて勝っても、意味が無い」
「でも、直さん…」
「心配するな。てめーらが戦うより
あたしが行った方が安全だろ?
頼りになんねぇんだよ、お前ら」
直は笑って玲の肩を叩く。

「直先輩…」
藍が直を見て言う。
それを見て直もまた、笑って
教室へと帰って行った。

何分立っただろう。
しばらく後に教室に帰ると、
もう決着はついていた。
余裕そうに直は席に座っている。

「わりーわりー、今だって
知らせて無かったよな?まあ良いか」
照れたように外を見て頬杖をつく直。
あたし達を守る為に戦ってくれたんだ、
と全員は痛感した。