「あたしを倒す事だけに集中しろ」
玲は奈央に殴りかかる。
単純な攻撃は全て読まれ、
返り討ちにされる玲。
奈央は歩きながら玲を見て言う。
「ぉらぁッ!!」
ドカッ…
玲の頭に、昔の映像が
うかんだ。
それは、まだ玲が高1の時。
玲を率いる16人の生徒が、1年3組へと
入った。
「ぅらァッ!!」
入るなり人を殴り飛ばして、
玲は大声で叫んだ。
「骨のある奴はいねーのか!?」
おどおどして逃げようとする
不良達とは対照的に、一人だけ
玲の前に現れた者がいた。
ーそれが、直だった。
「お前、強いのか?」
女性は笑って言う。
玲は睨みながら答えた。
「なめた口聞くと、殺すぞ。
あたしは本気でてっぺん狙って
るんだ。その為に、強い奴は
先に倒しておく」
「そうか、そうかー!じゃあ、
やめた方が良いと思うぜ?」
「何故だ?」
「あたしの方が強いからさ」
笑顔で言う直に、玲は
苛立ちを隠せないでいた。


