憂が顔を見上げると、
そこには玲は睨んでいた。
静かに拳を持ち上げる玲に、
憂は覚悟した。

パシッ

玲の手を藍が掴んだ。

「…藍」
玲の息は荒れていた。
呼吸も乱れていた。

藍はそのまま玲を見つめる。

「初期からメンバーが
変わってないのは、もう藍と
玲だけだ。直先輩と沢山の
喧嘩をしたのも藍と玲だけ」

いつも笑っている藍が
真面目に話している事に、
繭と憂は驚いて聞いていた。

「直先輩を殺したのはナジカ。
だから宮崎に罪なんてない」
藍の言うことは説得力が
あるのか、黙って聞いている玲。

「お前が本当の宮崎のせいだと
思うなら。そこにいる仲間を、
荷物だと思うなら…お前の
性格ならとっくに片付けてる筈だ」