殴り飛ばされる憂。
「憂!!」
すかさず憂の元へ行く繭。
立ち上がり玲に話しかける。

「昔あたし等に勝ったからって、
今も勝てるとは限らへんで…?」
繭も怒りの顔になる。
ただ、藍だけが黙って見ていた。
全てを知っているような顔で。

「てめぇもか、繭…
今までの恩を忘れたのか?
お前も直さんを裏切るのか?」
無意識に言ったであろうその
言葉は、痛々しく繭の心へ刺さる。

「忘れてへん。あんたと過ごした
日々も、直先輩も。だけど…これが
直先輩の望みやないやろ?アンタが
考える結末はこんな醜いものなんか!!」

「うるせぇ!!」
今度は繭が玲に殴りかかる。
軽々しく避けた玲は、繭に蹴りを
入れるも避けられる。

「ウアァァ!」
3連続の蹴りに当たる玲。
口をさすって血をふき取ると、
がむしゃらに腕を振り回す。
それに当たった繭は痛そうに
座り込む。

そこに、玲のパンチが入った。

「はぁ、はぁ……。れ…い」
隣の憂が泣きながら言葉を発する。

「やめて…誰も望んでない…
宮崎とケリ付ける為じゃねぇのかよ…
これじゃ…ナジカと同じだ」