「…玲?」
それを見て、同じように
藍も口が止まり真顔になった。

そこには倒れこむ奈央と、
上から無理やり殴りこむ玲が
いた。何回殴っても手を
止める様子はない。
苦しそうに息を吸い、血を
吐く奈央。

これ以上は危ない。
そう思った憂が先に動く。

「やめろ、玲!死んじまうぞ!」
玲の近くに駆け寄ると、
そのまま玲は憂を睨んで
胸倉を掴み、壁へ押し寄せた。

「てめぇには分かんねぇだろうなぁ。
いつも下で戦ってて、直さんには
何の感情も無ぇんだろ!?」
「れ…」
「こいつが殺したんだ!直先輩を!!」
言葉も出ない。
玲の目には涙が浮かんでいた。

「あたしも…直先輩に拾われて、
人生が変わった。今まで喧嘩しか
頭に無かった自分に、初めて叱って
くれて…一緒に戦わせてくれて」
憂は抑えていた感情を出す。

「あんただって!あたし達のこと
仲間だと思ってるのかよ…!?」
「…ッ!」

ドガッ