「ぐぁッ!!」

その隙を逃さないように、
もう1発殴る奈央。
玲の口からは血が溢れた。
それでもお構いなしに、もう一回
走りこんで殴ろうとする奈央。

ドカッ
「ぅッ!」
玲もそれに気付き、
逆に反撃されてしまった。
「はぁ、はぁ…ッ」
体力的には奈央も玲も限界だ。
だけど、負けられない。

お互い持つ夢の為に…

「案外やるじゃねぇか。さすが、
下に勝っただけある。だが…あたしも
譲るわけにはいかねぇんだよ」
拳を握り、睨みつける玲。

「それは私も同じです。
この戦いに勝たなきゃ…
未来を信じてくれた直先輩に
申し訳ないから…」

その言葉を聞いた瞬間、
玲の表情が変わる。