裏庭には血がまだついていた。
直がたてつく不良を返り討ちにし、
初めて奈央と会話した日。
彼女が死した事を知ったら、
皆はどんな顔をするだろうか。
しかも、ナジカによって。
彼女は呉羽に希望を与えた
存在だったから。
「待たせたか?」
「…玲…」
汚いものを見る目をして、
玲は奈央を睨みつけた。
奈央の離れた横には憂と繭と藍。
様子からして観戦するみたいだ。
「宮崎、聞きてぇ事がある。
てめぇはてっぺんをとって何が
したいんだ?何で戦いを望む」
奈央は黙り込んだ。
ーなんで?
優花の為?直の為?あたしの為?
それとも…意味無しの喧嘩?
奈央には重すぎて分からなかった。
答えの見つからない疑問をいつまでも
考え込む奈央。


