クラスメイトと話をしても、
奈央の気分はまぎれない。直の
事が頭から離れないのだ。

「呉羽はどうなるんだ…」
「直先輩が消えたら、玲以外に頼れる
奴は3人しか…てっぺんはどーすんだ?」
そんな疑問を持った人達も居た。
奈央の耳に入らないよう気を使った
リエのおかげで、声は無くなった。

「信じてたんだ。ナジカのこと」
奈央がふいに言った。

「こんなあたしをダチって言ってくれて、
心配してくれて、あたしの身を守ろうとして
くれて…。優花みたいな存在が出来るのかって
内心とても嬉しかった。だけど、違った。
ナジカはあたしを騙しただけだったんだ。
あたしに友達は出来ない。居なくて良い…」


「な…なわけねーだろ!ウチらはー」

カエデがそう言いかけたと同時に
奈央は教室を出た。

辛い事から逃れるように。