「あたしはお前が嫌いだ」

玲の眼光が鋭いものになった。
奈央は驚いた様子で玲を見た。

「お前がもし動けてたら、それこそ
結果は違った。直先輩は助かったかも
しれねぇんだよ!」

今度は玲の言葉が尖って奈央の心へ刺さる。
奈央は自覚していた。玲に当たっては
いけない。自分が悪いのだ、と…。
それでも逃れたかった。もう同じ過ちは
繰り返したく無かったんだ…

「明日の今頃、裏庭に来い」

玲はもう一度奈央を睨むと、
出て行ってしまった。
奈央は拳を握り屈指の表情を浮かべた。

「あたしにどうしろって言うんですか…」