やっと分かるかもしれない。
長い間待っていたものを、やっと
見つけられるかもしれない。


ーそう、直先輩。

それなのに、そんな人を
あたしはまた…亡くしてしまった。





あれから1ヶ月。
傷がなおった奈央は、
あるところへ訪問した。

3年1組。

直が生きていた教室。
中に入ると、玲が居た。
ただ黙って外を見ている。

「…」
奈央も黙って外を見る。
直のぬくもりも、存在も、
まだここに残っている…
やるせない気持ちが
こみ上げてきた。

「何で傍にいてあげなかった?」

奈央の尖った言葉が、
玲の心に刺さった。