目を覚ますと、病院にいた。
何とか助かったのか…
と思って体を起こす。
同じ部屋に優花は居なかった。

『…まさか』
奈央は走って下へと行った。
すると優花の家族が泣いて医師と
話していた。
その目が見つめる先の部屋に、
奈央は入った。

『…え…?』

そこには、横たわる
優花の姿。
顔には布がかけられ、
心拍数は0になっていた。

『死んだ…のか?優花』
絶対に返ってこない返事を
期待する奈央。
優花の手を握ると、その
冷たさに驚いた。

涙がこぼれた。
今まで流したことのない、
悲しみだけで出来た涙。

『あたし…ッ何であんな事…!
優花は死んだ。もう会えないんだ…
う…うぁあぁああ!!ああぁー!」
泣き叫んでも泣き叫んでも、
心の中の何かは返ってこなかった。