官軍は、見て見ぬふりをしているのか、気付かないのか。 いや、両方か。 官軍の堕落が賊徒の巣をここまで大きくした。 国の上層部は腐っている。 何が天だ。 何が王だ。 宿屋に着くころには、冷たい空気が栄楽を包んでいた。 「すまぬ。」 店の主人が出てきた。 部屋はすぐに手配してくれた。 客足は明らかに少ない。