子州では、賊徒が蔓延っている。 州軍はいちをの賊徒討伐を行っているが、砂漠が厄介だった。 州軍が動けないのもわかる。 いや、動きたくないのか。 どちらにしろ、軍が不足しているのは明らかだった。 そのせいで、“国の2つの宝”が死ぬかもしれない。 明道は、何としてでもそれを阻止したかった。 砂漠を抜けて、ひたすら街道を走っていた。 砂漠で賊徒に襲われなかったのは、幸運だった。 預けていた馬を引き取り、駈けた。