獅子は部屋を出た。 すでに、準備は出来ている。 もともと城を抜け出すつもりだったのだ。 だが、上司を一人にすることに不安があった。 王宮内で起こった殺人事件は完全に解決したわけではないのだ。 まだ知らぬ火種が、どこかにある。 杜廷尉は、自分の身は自分で守るだろう。 それも、火種を持った人物が、彼女の能力を上回らない限りはだ。 ―後は、じじぃ共に任せるしかないか。