―――――――――――――――――――――――――――― 一方。 「まずい、まずいまずいまずいぞこれは! 何ということだ」 金大好は頭を抱えていた。 部屋には自分の手の者がいる。 ―お忍びで城外に遊びに行くのかと思いきや、まさかこんなことに。 とんでもなく予想外の展開だった。 最悪だ。 王が、城を抜け出した。 しかも、囚人たちを脱獄させ、朱雀も一緒だという。 金大好は、王の旅支度を命じられた。 利用するつもりが、いつの間にか利用されていたのだ。 王は、愚かばかりではないようだ。