「主上は、もう城郭の外に出てしまわれて、今行方を追っています。」 「ほう。主上は馬には乗れたのか? まさか徒歩ではあるまい。」 「誰かに、馬も旅支度も用意させていたようです。 乗馬は、できないと聞いておりましたが。」 「まあ、誰が用意したのか大体は予想がつくが。 あやつも、そっちの才はあるから、尻尾は簡単には掴めないだろうな。 ところで楽布、王は何のために張湯と彩夏を逃したと思うか?」 「彩夏殿とは親しくしていたと聞きます。 張湯殿は旅案内と護衛に。」