そうして私は、写真を撮ってから三日後…一年振りに暮らしていた団地を訪れたのです。
その頃父とはもう離婚が決定していて、荷物を取りに来たと告げた私達を父は優しく迎えてくれたのです。
私は恐る恐る、人形を置いていた棚を見つめました。けれど、そこに人形の姿はありません。
不思議に思った私が何度探しても棚の上にメリーはいませんでした。
なにか考える仕草をして、母が叔母に電話を掛けます。
「もしもし?…あのさ、いないんだけど…アンタ、見えない?」
五分くらいでしょうか、通話を切った母は一年前に私達が寝ていた和室を指差します。
「そこの…カラーボックス、その辺を調べて」
母の言葉に、そんなところに人形がいる訳ない。そう思いながらも私はゆっくりとカラーボックスに近付きました。
