「嫌!」
私は思わずその写真を投げ出しました。
そしてその場から逃げ出そうと、上着を羽織り玄関まで駆け出したのです。
「コンビニ行ってくる!」
外に出ればそこは昼間の平和な光景。
先程までの恐怖が嘘のように人や車が行き交う街を見て、酷く安心したのを覚えています。
コンビニで適当に飲み物を買い、三十分程時間を潰してから私は家に戻りました。
その頃には大分心も落ち着いていて、もう大丈夫だろうと縋るような気持ちで玄関を開けたのです。
そのまま、写真の事は忘れてしまえばその場だけは平和でいられたのかも知れません。
けれど玄関をくぐった瞬間に私はどうしても気になって、仕方がなかったのです。
