やがて叔母の手が止まり、彼女はゆっくりと写真に映り込んでいたテレビを指差しました。 なんだろうと覗き込んでみると、テレビの画面の中に何本ものオレンジの線が残っていました。 私はテレビの映像がそんな風に映ってしまったのでは、と考えましたがテレビは写真を撮った時から誰も触っておらず、その画面は真っ暗でなにも映してはいません。 黒い画面を複雑に横切るオレンジとも赤とも取れる無数の線。不気味ではありましたが、なにかも分からないこれらを私は特に気にする事もなかったのです。