「た、頼む……知らないんだ本当に……なあ蓮尾さん?」

助けを求めるように亜衣を見つめる。

しかし唇を固く結んだ亜衣の視線はしっかりと麻里を見据えていた。
その視線に押されたのか麻里の方が目をそらす。

「……いいわよ。分かったわ」

「そうか!じゃあ3人で協力して……」

「どうしても言いたくないんなら力ずくで聞くだけよ」

まだ青白い硝煙を吐き出す暗い瞳が亜衣に向けられた。

額に大粒の汗を浮かべ小刻みに震えながらも亜衣は視線を麻里から離さない。

「やめろ……やめるんだ……」

しかし狂気に支配された麻里には仲埜の言葉が耳に入るほど冷静な思考が既に残ってはいなかった。