「でもさっきは開いたわ」

「現実に今は開かないでしょ?」

まるで別人のように落ち着き払った亜衣を仲埜は驚きの表情で見つめる。

窮地に立たされて開き直ったのだろうか?いつものオドオドとした亜衣はそこに居なかった。

「……早く言いなさい」

「私達が知ってる訳ないでしょ」

「いいから早く言いなさい」

「本当に知らないんだよ、だから3人で協力して……」

「早く言いなさい!」

足元に向けられた銃口が再び火を吹く。

一瞬にして舞い上がった絨毯の糸くずがゆっくりと揺れながら落ちた。