いつの間にか暗い銃口が仲埜を見ていた。

「ど、どうしたんだ?」

「ふざけないで!……暗証番号を教えなさい!」

轟音と共に頭上の壁が弾けた。

全身の毛穴が一瞬に開き心臓の鼓動が喉までせりあがってくる。

「ま、待ってくれ!何を言って……」

「葛西さんが変えたのよ……暗礁番号」

割って入った亜衣の言葉に銃口がゆっくりと移動した。

「どういう事?……知ってる事を話しなさい」

「さあね……葛西さんとあなたを拘束して暗証番号を言わせようとしても、それを知らないあなたに危害は加えられない……そこまで考えていたんだと思うわ」