去っていく麻里の背中に仲埜の暗い呟きがかけられた。

「こんな結末ってあるかよ・・・こんな」

「あら、私にとってはまあまあハッピーエンドよ。でもね教えてあげる。誰かにとってのハッピーエンドは違う誰かにとってはバッドエンドなの。みんなが同じように幸せにはなれないわ」

麻里が階段を昇る軽快な足音を仲埜は虚ろな表情で聞いていた。