「やめろ!東・・・」

仲埜の声は銃声に掻き消された。

部屋の中央まで走っていった慶介は後ろに数メートル吹き飛ばされ壁に叩きつけられ下に落ちた。
背中に大きな穴があき、ポンプでもあるかのように血が噴出す。


手の先だけが小刻みに痙攣していたが、それも直ぐに止まった。

「なんて事を・・・何て事を・・・」

頭を抱えた仲埜が同じ言葉を繰り返す。

「そんなに死に急がなくてもいいのに。とりあえず上で待ってるから出てこられるものなら頑張ってみなさい。じゃあ本当にさようなら」