ハッピーエンド

リビングの電気も消されたまま、風呂に入っている様子もない
。諦めて薔薇だけ寝室に置いて帰ろうとドアを開けた仲埜はベッドに横たわる真喜子の姿を見つけた。

「何だ、やっぱり寝てたのか」

起こさないように静かに近寄ろうとした仲埜は足の裏に何かが当るのに気付いた。

「何だこりゃ?」

暗くてよく見えないが、小さな粒上の物が散乱している。

「だらしないなあ、こんなにちらかして」

寝ている真喜子にキスしようと顔を近づけた仲埜は、その異様に青白い顔色に胸騒ぎが一瞬走った。

よく見ると枕もとに少し嘔吐した痕跡がある。

「真喜子?・・・おい、俺だよ、起きろよ」