エントランスには誰もいない。エレベーターのボタンを押した葛西は携帯を取り出し電源を切った。
すぐに扉が開き、中に入る仲埜と擦れ違うように若いカップルが出てくる。
女の方が仲埜の持つ花束を見て驚いたような表情で男になにやら話し掛けていたが仲埜には聞こえなかった。
最上階の10階で降り1012号室とだけプレートの打たれた部屋の前に立った仲埜はチャイムを鳴らした。
扉の向こうから聞きなれた呼び出し音が聞こえる。
しかしいくら待ってもドアは開かれなかった。
「おかしいなあ・・・寝てるのかな」
もう一度押してみる。何度か繰り返したが結果は同じであった。
すぐに扉が開き、中に入る仲埜と擦れ違うように若いカップルが出てくる。
女の方が仲埜の持つ花束を見て驚いたような表情で男になにやら話し掛けていたが仲埜には聞こえなかった。
最上階の10階で降り1012号室とだけプレートの打たれた部屋の前に立った仲埜はチャイムを鳴らした。
扉の向こうから聞きなれた呼び出し音が聞こえる。
しかしいくら待ってもドアは開かれなかった。
「おかしいなあ・・・寝てるのかな」
もう一度押してみる。何度か繰り返したが結果は同じであった。


