ハッピーエンド

喋りすぎる運転手に仲埜は苛立ちを覚えた。

「でも飲酒運転で猛スピードですからね自業自得と言えばそうですよね。しかも発売されたばかりの物凄く高級なスポーツカーらしいですよ。どうせ金持ちの親にでも買ってもらったんでしょ?今まで十分にいい思いしてきたんじゃないですかね」



「どうだろうね。死んだ人の事だから興味ないです」

話に乗ってこない仲埜に運転手はそれっきり口を閉ざした。

やがて車は閑静な住宅街に入っていき、その中で一件だけ奇妙に目立つ大きなマンションについた。

料金を払って車を降りる。花束を抱えた仲埜はポケットからキーを出してオートロックの扉を開けた。