ハッピーエンド

「僕は・・・僕はどうなるんですか?」

それまで黙りこくっていた慶介が恐ろしく低い声を出した。
此処に来た時の努めて虚勢をはろうとした勢いは何処にも無い。

「さっき葛西さんが何とかするって言ったじゃないか」

「何とかって?何をどうするんですか?こんなの警察が調べたら全部分かるに決まってる・・・もう終わりだ」

頭を抱えうずくまる。

「しっかりしなさいよ。男でしょ」

全く変化のない麻里の口調に慶介が突然立ち上がった。

「だ、誰のせいでこうなったんだよ!あんたを助けようとして俺は・・・俺は・・・」

「誰も助けてくれなんて頼んでないわ。私は誰の助けも要らない」