田中の死体を見ながら麻里は不敵な笑みをもらした。あまりの美しさに鳥肌が立つ。
「麻里ちゃん、死んだ人の事はもういいじゃないか。事故の時に彼が何処にいたのかは私達の胸にしまっておこう」
「・・・分かりました、おじさん」
きっと田中にとって公には出来ない場所にいたのであろう。
職務に反するような人間と会っていたか、不倫相手の所に居たか・・・。
田中が未婚なのを知らない仲埜はそう解釈した。
田中が自らの横領を揉み消す為に策略をめぐらしていた事や、その時間に栄子と醜い痴態を繰り広げていた事までは知る由もない。知れば麻里達の情報網に自分の過去を重ねあわせ平静ではいられなかっただろう。
「麻里ちゃん、死んだ人の事はもういいじゃないか。事故の時に彼が何処にいたのかは私達の胸にしまっておこう」
「・・・分かりました、おじさん」
きっと田中にとって公には出来ない場所にいたのであろう。
職務に反するような人間と会っていたか、不倫相手の所に居たか・・・。
田中が未婚なのを知らない仲埜はそう解釈した。
田中が自らの横領を揉み消す為に策略をめぐらしていた事や、その時間に栄子と醜い痴態を繰り広げていた事までは知る由もない。知れば麻里達の情報網に自分の過去を重ねあわせ平静ではいられなかっただろう。


