ハッピーエンド

「彼は来ていなかった?」

「そうよ。でも営業に回ったけど全部留守だったとも言い張れるじゃない?玄関で声をかけたけど不在だったって。彼なら咄嗟にそれぐらいのでまかせは言うだろうって考えた」

視線を麻里に移しながら仲埜は恐ろしくなった。

全て調べた?
いったいどれだけの件数があると言うのだ?

たった二人で?

麻里達の執念に肌寒いものを感じる。

「・・・じゃあその時はどう追い詰めるつもりだったんだい?」

「現場に居なかった、銀行にも居なかったとなったら、あの男は何処にいたのか。彼の周辺を調べたらすぐに分かったわ」