「何処がいい?どうせ此処から出す気は無いんだろ?俺はみんなが見ている前でもいいぜ。それともそこのトイレにでも入るか?ちょっと狭いけどな」

頬をヒクヒクと痙攣させながら田中は荒い息を吐いた。

顔は真っ赤になり小さな目が眼鏡の奥で異様に光っている。仲埜も呆然と見つめるしか出来なかった。

「何を言い出すんだ二人とも!そんな事は私が許さんぞ、麻里ちゃんも落ち着け」

「私は冷静ですよ」

麻里の表情は変わらない。

「とりあえず、拳銃を置いて服を脱げ」

「ま、麻里ちゃん」

麻里は黙って拳銃を葛西の手に握らせるとシャツのボタンを外し始めた。